アクアバイククラスの作り方(施設運営者向け)
2025.02.20
フィットネス施設やスパ施設にとって、「ほかの施設とどのように差別化するか」というのは悩みの種のひとつかと思います。リハビリ中の方やアスリート、子供や高齢者など様々な方が利用できるアクアバイクを導入しクラスを適切に設計・運営すれば、ほかの施設と差をつけられるかもしれません。
このコラムでは、施設運営者がアクアバイククラスを効果的に企画・運営するためのポイントを解説いたします。
1. 参加者層に合わせたプログラム設計
アクアバイククラスを適切に設計・運営するためには、まず想定される参加者を明確にし、その参加者のフィットネスレベルに応じたプログラムを構成することが大切です。以下に主なフィットネスレベルとプログラムの例を挙げます。
・初心者向けクラス
初めてアクアバイクを体験する方には、基礎的なペダリング技術や水中での姿勢保持を教えるクラスが適しています。心拍数を抑えた低強度の運動から始め、徐々に負荷を増やしていくプログラムが理想的です。
アクアバイク導入初期はこのクラスを中心に利用者を増やしていくことを目標にすると良いでしょう。
・中級者向けクラス
ある程度の運動経験がある方や、初心者向けクラスからもう一歩踏み込んだダイエットや筋力強化を目的とする方には、インターバルトレーニングや音楽に合わせたテンポの速いプログラムが効果的です。
・上級者向けクラス
高強度の運動を好む上級者には、抵抗を大きく設定したペダリングで、時には立ち漕ぎを組み合わせるなど、チャレンジングなメニューを提供しましょう。全身の筋力アップと安定した体幹づくりを目指す内容が求められます。
・リハビリテーションクラス
アクアバイクはリハビリを目的とした運動にも有効です。関節への負担が不安な方には、低負荷で持続的に行う運動を中心にしたプログラムが適しています。ストレッチを組み合わせることで関節の可動域を広げ、柔軟性のある体を目指しましょう。
2. クラスのスケジュール設定
参加者の世代やライフスタイルに着目すると、それぞれの通いやすい時間帯が見えてきます。参加者とクラスの特徴をよく理解し、目的に合ったプログラムを用意することが大切です。以下のポイントを考慮して1日のタイムスケジュールを組みましょう。
・ターゲット層ごとのピークタイムを活用
平日の仕事帰りの時間帯や週末の午前中は、働く世代の多くが参加しやすい時間帯です。これらの時間帯に初心者や中級者向けクラスを設定すると効果的です。
アクアバイク導入初期はこれらの時間帯に集中して体験レッスンを開催し、気軽にアクアバイクへ触れてもらう機会を作りましょう。
また、平日の昼間に高齢者向けクラスを設定することで、ニーズに合った参加者を見つけることができるでしょう。
・タイムスケジュールの調整
初めは少人数の体験レッスンを複数の時間帯に設定し、参加者の反応を見ながら時間帯を調整することも重要です。
3. インストラクターの育成
アクアバイククラスを運営する上で、インストラクターのスキルが大きな鍵を握ります。以下のポイントに考慮して、インストラクターの育成に取り組みましょう。
・安全確保のための知識と技術を身に着ける
水中での運動は陸上でのそれと異なるため、安全性を確保するための知識と技術が必要です。インストラクターには、参加者の状態を的確に把握し、無理のない範囲で指導する能力が求められます。
・効果的なコーチング技術
インストラクターには、参加者の目標に合わせた多様なトレーニングメニューを提供できるスキルが求められます。また、テンポの良い音楽を組み合わせて参加者のやる気を引き出すなど、楽しく運動を継続させるテクニックも重要です。
・スキルアップを目指し継続的に学習する
定期的な研修や外部のトレーニングプログラムに参加させることで、インストラクターのスキルをブラッシュアップしましょう。
4. 参加者のエンゲージメント向上
参加者の満足度を高め、アクアバイクのクラスへ継続して参加してもらうためのヒントを以下にご紹介します。
・進捗管理
定期的に進捗と結果を確認し、参加者が自分の成長を実感できるようにします。具体的な数値やグラフで示すことで、モチベーションを高めることができます。
・目標設定
参加者ごとに達成可能な目標を設定し、それに向けたサポートを行いましょう。複数人で同じゴールを目指しし、達成感を共有できるような工夫も参加者の意欲アップにつながります。
・イベントの実施
特別クラスやチャレンジイベントを企画し、参加者同士の交流を促進します。コミュニティ意識が高まることで、自身が参加するクラスに対してより魅力を感じるようになるでしょう。
5. 継続的なフィードバックと改善
クラス運営は、一度設定したら終わりではありません。参加者からのフィードバックを積極的に収集し、継続的に改善を図ることが大切です。
アクアバイク導入初期は特に、初心者クラスの体験者に繰り返し参加してもらえるようなプログラムづくりを意識しましょう。トレーニングの内容、各クラスの開催時間や教え方など様々なテストをして、より継続率が高いものを開発する必要があります。
・フィードバックの収集方法
アンケートや直接のヒアリングを通じて、参加者の満足度や改善点を把握します。その際に回答方法を選択式にしてなるべく簡単にすることや、分かりやすくすることが大切です。
└データ分析の活用
クラス参加者数やリピート率を定期的に分析し、人気のあるプログラムや改善が必要なプログラムを特定します。2回目の参加へつながらない場合は特に内容の見直しが必要になります。
└柔軟な対応
フィードバックをもとに、クラス内容やレッスン数などを柔軟に調整することで、参加者の期待に応え続けることができます。
まとめ
アクアバイクのクラスを効果的に運営するためには、ターゲット層に合わせたプログラム設計、適切なスケジュール設定、インストラクターの育成、参加者のエンゲージメント向上、そして継続的な改善が欠かせません。これらのポイントを押さえた運営により、施設全体がより魅力的になるとともに、長期的な顧客の獲得と収益の向上が期待できるでしょう。